昔、僕はクレーム電話に対応する仕事をした事があります。
まだ20代の頃の話です。
「15分以内に切る」というのが、会社の方針でした。
プルプルプル、はい〇〇です。と電話に出て、お客様の怒りを一通り聞きます。
そして、スッキリしたところで丁重に謝罪して切るというのがいつものパターンです。
しかし、その時はお客様がえらく僕を気に入ってくれたようで、
「あらあなた、なかなか話がわかるみたいね」
と、かなり上から目線で、切らせてもらえそうにありません。
参ったな〜とパソコンで顧客情報を見てみると、ブラックリスト入りの人物。
毎日のように長時間のクレーム電話をかけてきている人でした。
なるほど、この人の闇は根深いなと感じて、長電話になる覚悟を決めました。
5分ぐらい相槌を打ちながら話を聞いていると、家庭内の問題の話になりました。
数年前に離婚をして、子供たちは旦那さんにとられてしまったとのこの。
それから良いことが1つもないと、嘆いておりました。
過去の不幸を引きずって、悪循環に陥っているなと僕は思いました。
「お辛い経験をされたのですね。そして、今現時点でもあなたはそれを引きずってしまっているのですね」と同情の言葉をかけました。
するとお客様は突然、大声で泣き始めました。
きっと、これまでまともに話を聞いてもらえる事も、同情される事もなかったのでしょう。
ぐしゃぐしゃに泣きながら
「あたしはこの先どうしたらいいの?」
と聞いてこられました。
僕は「今の状態は辛いですか?前を向いて生きたいですか?」と確認の意味も込めて聞きました。
「はい。昔のように幸せに生きたい…」
と絞り出すように言いました。
「それでは、1つアドバイスをしてもよろしいですか?」
と聞くと、「はい。お願いします」と。
なので、僕はこう言いました。
「過去を変えることはできません。変えることが出来るのは未来です。
お子さんとの別れ、それはとても辛いことでしょう。
しかし、それを嘆いていても、起きてしまった事は変わらないのです。
それよりも、お子さんが大きくなって、いつか母親のあなたに会いに来たとき、
魅力的な母親になっていれば、そこからもう一度お子さんとの関係が構築出来るかもしれません。
その日の為にも、あなたは前を向き、新しい人生を生きはじめる必要があります。
そして、その為に欠かさずにやって欲しいことがあります。
毎日、奇跡を見つけて下さい。
奇跡は起きるものではなく、見つけるものです。
朝起きたら「太陽の光がきれいだなあ」とか、
雨が降ったら「大地や生き物が喜んでいるなぁ」とか、
スーパーの店員さんが一生懸命にレジ打ちしてくれたとか、
そういう日常の些細な事に目を向けて、ちょっと大袈裟に感謝の気持ちを抱いてみて下さい。
すると、奇跡はどんどん大きくなり、回数も増えていきます。
それを日課にする事が出来たら、あなたはもう大丈夫です。
過去に生きるのではなく、今を生きる立派なお母さんになれますよ」
と、お話しました。
「ありがとうございます。あたしはまた幸せになっていいんでしょうか?」
「人生で何が起きても、人は皆、幸せになる為に生まれて来たのですよ。不幸の上に立ち、何度でも前を向いて幸せになっていいんです」
と、お話すると、
毎日どなり散らしていた、ブラックリスト入りのクレーマーだった彼女は、
「本当にありがとうございました。今、心の底から救われました。」
とおっしゃってくれました。口調も別人のように変わっていましたね。
丁重に電話を切ると、周りのデスクの人達が皆「ブラボー!」と拍手をしてくれました。
僕が最強のクレーマーをどう鎮めるかを聞いていたそうです。
とっても照れくさかったです。それ以来、そのお客様からのクレームの電話はピタッと来なくなりました。
脳梗塞の前だったから、ペラペラ話せたけど今はまだ無理だな〜(笑)言葉が出て来ない。
さて、これはオフレコですけども、
僕は子供の頃から知っていることなのですが、
ちょっと「アレ?」っていう人は、実は浮遊霊がついちゃってます。
なので、その人に憑依しているその霊体に向かって諭すように話すと、スーッと成仏します。
コレほんと(笑)
ありがとうございました!