小学生の頃、学校でリトマス紙というのを知りました。非常に興味深いと思ったんです。

その夏休み。僕は父親にお願いをして、リトマス紙を使った自由研究をしたいと言いました。

そして福島県にある色んな川の水をリトマス紙で、酸性、中性、アルカリ性に分類するという事をしました。

さらに、その生態系の違いも調べました。今思えばなかなかマニアックな小学生だったと思います。

その自由研究旅行で、猪苗代湖の水も調べてみました。

そして、その時に近くにあった「野口英世記念館」というところに立ち寄りました。

名前は知っていたけど、何をした人かはよく分かっていなかったので、父親に色々聞きました。

また後日、野口英世の本を何冊か買ってくれました。

野口英世はお医者さんの書生として8年間医学を学びました。

当時は医学部を卒業していなくても、8年間お医者さんの元で書生として学んでいれば、国家試験を受ける事が出来ました。

それでお医者さんになった野口英世は、病院に就職しましたが、

医学部を出ていないので、冷遇されてしまいます。

任せられた仕事は、海外の色んな言葉の医学論文を日本語に翻訳するという仕事でした。

3年間、もくもくと翻訳し続けました。

普通なら「やってられん!俺は医者をやりたいんだ!」と憤慨してもおかしくないですよね。

何故、耐えられたかというと、

物凄く苦労して育ててくれた、お母さんの背中を見て育ったからです。

野口英世のお母さんは野口シカさんと言います。

このお母さんは、

野口英世が起きてる間に寝たことはなく、野口英世が目を覚ましたときに寝ていることもない。

と言われています。

猪苗代湖でまだ暗いうちから、真冬でも下半身を水に浸けながら魚をとっていたといいます。

お父さんは、お母さんがせっせと働いて稼いでくるわずかなお金を持っていって浪費してしまう、

どうしようもない人だったと言われています。

父親は反面教師であり、母親の後ろ姿を見て育ったわけですね。野口英世は。

お母さんの苦労に比べたら、自分が冷遇されていることなど何でもないと思っていたそうです。

ある時、京都で学会がありました。

世界中の医学論文を訳してきた野口英世に白羽の矢がたったわけです。

そこで出会ったアメリカの教授に「アメリカに来ないか?」と誘われました。

野口英世は病院をやめて、アメリカに渡ります。

アメリカに渡り、その先生を訪ねると

「ホントにきちゃったの?困ったなあ。帰りなさいよ」

と言われてしまいます。

ガビーン!ですよね。え?お世辞だったの?と。

どうしようかと思っていたその時、部屋にスタッフが入ってきて、

「先生、大変です!血清の研究用の毒ヘビのオリが開いていて、全部逃げ出してしまいました!

研究室の扉は閉めましたが、中にウヨウヨいます!飼育スタッフも噛まれてしまって手のつけようがありません」

と、まさに非常事態です。

教授は野口英世を見て言いました。

「君は毒ヘビを扱ったことはあるかね?」

野口英世は毒ヘビを扱った事など1度もありませんでした。

しかし、「はい。あります。出来ます!」と言いました。

ここが凄いところですね。ハッタリをかまさなきゃいけないときも人生にはあるんです。

そして、命をかけて事態を収拾したわけです。

そして教授から、飼育員が戻ってくるまで代わりに毒ヘビの面倒をみてくれと頼まれて、

アメリカで職を得ることになるわけです。

そこで熱心に働いた野口英世は、職員として正式に採用されるようになったというわけです。

国は違えど、熱心に働く姿への評価は万国共通なんですね。

それから、皆さんの知る野口英世の功績への道が開かれるわけです。

この話から僕が思う事は、

与えられた環境に、愚痴や不平不満をこぼさずに黙々と頑張ることが重要だと言う事。

そういう人には突如としてチャンスが到来するという事。

そして、チャンスが到来した時に、ハッタリでもいいから「やります!」と言う事。

最後に一生懸命にその仕事をこなすこと。

するとまた、新しいチャンスがやってくるんですね。

そういうスパイラルを学びました。

どんな仕事も、誰だっていきなり完璧には出来ません。

ただ、その姿勢は一生懸命でなくてはならないと思います。

そして、その姿を野口英世はお母さんから学んだんです。

ひたむきなお母さんの後ろ姿を、しっかりと見ていたんですね。

なるほどなーと思いました。

世の中には偉人がたくさんいます。

僕は十代の頃に、偉人と呼ばれる人達や日本を代表するような企業の創業者を調べ上げ、

ホームページにまとめた事がありました。

就活の時期になると、かなり閲覧されていましたけどね。今ではもうありません。

その時にかつての世界は「努力の時代」だったんだなと感じました。

その努力の時代には、名前の上がるような偉人はほとんどが男性でした。

占星学的には魚座の時代でした。まさに男性的な時代。

けど、今はもう水瓶座の時代です。女性的な時代が幕開けしています。

いま必要なのは、「努力」よりも「愛」です。

そもそも努力の「努」という字は、奴隷に無理やり働かせる事が語源です。

そして、その荒ぶる奴隷の心が「怒」という字です。

やりたくない事でも一生懸命にやるということも、これまでの時代には必要でした。

しかし、最初は嫌だった事でも一生懸命にやってるうちに嫌ではなくなってきますよね。

どんな事からも楽しさを見出せるのだと気付くことが、課題でした。

さらにこれからは、そのワンランク上の「愛」が大切になってきます。

努力のベクトルを、自分の為だけではなくて他者の為に向けていく時代です。

そこに全宇宙からのエネルギーが注がれて行きます。

素晴らしい時代だなと思います。

そこに沿いながら日々を生きて行こうと思います。

ありがとうございました!

野口英世記念会
福島県猪苗代にある、公益財団法人野口英世記念会の公式ホームページです。