Graveyard は素敵なところ。一度行くべき、一緒に行こうよ❣️

いくら愛するハズバンドに何度も言われたって、絶対行きたくない。去年は丁重にお断りしていた。しかし、今年になって、私も地球も、スピリットの世界も変わったので、喜んで、というかお仕事で行ってもいいかな。という気持ちになったので行ってきた。線香を持参して。


墓場は山奥と言われている山域の、さらに最奥にある。つい最近バイクパッキングのタイトルでブログに書いたエリアは”フロントサイド”と呼ばれており、山奥といえど水上飛行機をチャーターして、マウンテンバイクで途切れのない下りを楽しむ人々や、ホースバックライディングのツアーを楽しむ人々の行き来があるため、トレイルはかなり整備されている。その山域の奥に、割とマニアが行く、それでもまだフライイン出来る山域がある。さて、graveyardと言われてるエリアは、水上飛行機ではアクセスしずらい、そのマニアの奥にある山域にある。

なだらかに見えますが、2000メートルの高山で、空気が薄く、砂と石で滑りやすい道をキャンプ道具を背負っていくのはなかなか辛くて自転車を押して進む場面が多いのです。

このエリアでマウンテンバイクを始めた頃、毎回道に迷って10時間コース、旅の後半は常にもう2度と行かないからね。と半泣きになって宣言していた私は、地図の上部にあるgraveyard という名前をみて、ネーミングといい、アクセスの悪さといい、こんなとこ誰が行くんだろ?と思っていた。親切なFacebook によると9年前の同じ日にもこのチョーコートンエリアで自転車に乗っていたようだ。2度と行かないと毎回宣言して9年たち、他人事と思っていた場所に足を踏み入れた私…。


初日、ロギングロードをガタガタくねくねと2時間、自転車を漕ぎ出す地点にあるキャンプ地に着いたのは夜10時。あたりはもう暗かったが、それでも煙がかった景色に不安がよぎる。BC州の夏は山火事がつきもの。火事の危険はない場所にいても風向きによる煙は避け難い。肺活量の高いマウンテンバイクのようなスポーツでは煙の量はパフォーマンスに、というより身体への影響は避けがたい。

夜中3時にトイレに起きると月は赤く、あたりは喉が痛くなる煙さであった。案の定翌日あたりは真っ白。それでも風向きが変わる事を祈ってとにかく出発。


慣れとはスゴイもので、あれだけ喉がピリピリしていても慣れると気にならなくなる。とにかく林道をひたすら登る。

途中の小さな池でビーバーを横目にひたすらこぐ。

よく見るとビーバーの頭が見える

ところで、アラスカ川下りの冒険期なんかで、蚊がとにかくスゴイ。という話しを耳にした事があるかもしれないが、アラスカもカナダも陸続き、氷河が後退して残された湿地にはここでも蚊がわんさかいる。いや、蚊だけではなく、ブヨとか小蝿とか、色んなやつらが常に我らを取り巻いている。

旅の前半の動物といえばひたすらこの小さい取り巻き達。さて、あんまり動物の気配がないなあなんて思っていたら道の真ん中にたたずむグラウス。いつもの事だ。洋二郎がグラウスがいるよー。とのんびり報告する声が聞こえる。彼らはニワトリのように飛ばない鳥で、愛嬌がある。人間だろうが車だろうが、通り過ぎるのを気にせずただ道端に佇んでいる。

しかし、洋二郎越しにみる鳥は稀に見るデカさだ。いつもみるヤツの倍はあるぞ…。それでも近くに行くと慌てて脇の茂みに逃げると、隠れていた小さなひな達もいっしょになってバタバタ逃げていった。しかし、その瞬間洋二郎の叫び声。グラウスは一旦逃げたと思いきや、洋二郎の隙をついて反撃してきた。雷鳥に襲われた男…。

しかし雷鳥でよかった。この山域の看板に必ず書いてある。you are in grizzly country. 国の主に会うことは避けたいところだ。