私の住む野原集落を見下ろす場所に熊野神社があります。神域に至るまでの山道には氏子の方々が植えてきた桜の木が点在しています。

この神社は三つの神社が一つの雨屋の中にあります。

一、熊野神社 御祭神・事解男命(コトサカノウノミコト)

二、大室神社 御祭神・イザナミノミコト、イザナギノミコト

三、曾我五郎十郎之宮 御祭神・曾我十郎、同五郎

仇討で有名な曽我兄弟を御祭神としている由所は不明です。村内の源頼朝伝説によるものでしょうか。

大室神社は今も飲料水の恩恵に預かっている人が多いことからもごく当然のことと思われます。

熊野神社は川原畑に熊野八幡神社があるので、その流れかと思われます。

勧請は宝永元年(1704年)、約320年前になります。江戸の彫刻師冨蔵という人が御扉をはじめとする彫り物をして、小さいながらも立派なものだったと聞いていますが、残念ながら台風と倒木により社殿が壊れ、その後しばらく再建ができないままになって朽ちたとのこと。

社殿は平成5年12月25日に建替えられたので、村内では新しい建物です。


熊野神社の手前に山之神の祠があります。これはかつては木の祠で別の場所にあったとのことですが、石の祠に変える際にこの場所に移したそうです。

熊野神社、山之神は国道から五分ほど山道を上がっていかねばならず、ここを自力で登れなくなった時が、私が神職を辞める時と考えています。