道志村の特産品といえばクレソン。平成7年度には年間480トンの出荷量で「日本一のクレソン産地」でした。(参照:「道志七里物語」/前川清治著)

ここで注意すべきは「出荷量」で生産量でないことです。

村内の圃場は寒すぎて越冬できず、雪が降れば消えてなくなります。多年草なので春になって水を入れればまた芽吹いてくるとはいえ、それでは秋まで収穫できません。そこで道志村のクレソン農家は、苗を越冬させられる土地に移動するんです。通年で出荷するため、もしくは春先に出荷するためにはどうしても村外圃場が必要なんです。

私たちも越冬地として静岡県富士宮市に圃場を持っています。片道二時間かかります。

冬季や春先に「おーい今日ちょっとクレソンちょうだい」と言われても、さっと刈り取って結束して出荷というわけにはいきません。

富士宮の圃場からも富士山が良く見えます。

岳史からでした。