どんなお産がしたいか、どんな場所で、どんな人とその時を迎えたいか。
バースプランを自分で立てる。それは当然の事だと思っていました。
東京で育ち、横浜でお産と子育てを経験し、道志村に落ち着いた。住まう場所が決まり、生活が落ち着くことで授かる命。
不便さは許容範囲、都会に無いものが沢山ある。と思っていた私のジェネレーションギャップ。
お産の地域格差。
何となく育った環境の流れで助産院を選んで一人目を出産。その後年子を出産することから入院をせず自宅出産を選択、その幸せなお産経験から、以降は自宅にて家族みんなで新しい命を迎える事を選びました。
それが恵まれた環境の下に成り立っていた事を初めて知りました。
山梨ではまだ基盤が脆弱で同じようには進まない。
とは言え、人口の少ない道志村でも近隣の市町村に出産出来る病院が数カ所あり、選択する事も出来ます。最近最寄りの都留市民病院でも出産を再開し、少子化の今、これは凄い。
病院で出産すれば何か不測の事態が起きた時、対応が迅速に出来るので安全です。医療は完璧ではないと言えども、素人の私達患者(妊婦は病人ではないけれど)からすればかなり安心します。
しかし、勿体ないと思う気持ちが強いのは私の独りよがりでしょうか。
病院側からすれば、ただでさえ少ないお産が分散されてしまっては経営的に厳しいだろうし、集約化されている地方病院では広範囲の救急搬送なんてリスクの高い事は避けたいと思います。
でも、お産は病気ではない。もし、産む力があるのならば、もう少し選択肢があっても良いのでは。
(注釈;誤解を招き易いので、あえて。
助産院がいい、自宅がいい、自然分娩がいい、と言うわけではありません。
帝王切開だって、無痛分娩だって、病院での分娩だって、立派なお産だと思います。
だって、一つの命を何ヶ月もかけてお腹の中で育て上げたのですから!!これ、凄い。早産だって逆子だって何だって凄い!!)
病院での分娩が最良の人もいる。病院食や景色で分娩場所を選ぶ人もいて良いと思う。でも、これから始まる育児そしてお産、と言う特別なライフイベントを、自分で納得して決めると言うとことはとても大切ではないかと。
と、言うことで。
ここ山梨でも、もう少し、あと一踏ん張り、自分たちのお産を自分たちで、納得出来る選択が出来るようになれば良いなと切に思いました。選択できないにしても、妊婦自身がもう少し貪欲に、こんなお産が出来たら良いのにと思えるような環境があれば。
近年では前例の無い自宅出産の申し出に、ひと言ノーと突き返さずに考えて下さる助産師さん、もし自宅が無理ならと保留扱いにして下さっている道志村から一番近い津久井の助産院、そして万が一の場合横浜で自宅出産の受け入れをして下さる横浜の助産院。
本当に沢山の方々にフォロー頂いている。
何かあって病院での分娩になる可能性もゼロではない。自宅で産めずとも、どんな結果になろうとも、お産が素敵なものに変わりはない。
でも。
この土地でも、産み方を選べるようになって欲しい。だから、横浜に帰って自宅出産をすると言う道は選ばずに、私はここで産みたい。
望みは薄いけれど、医療の問題に私は斬り込めないけれど、まだその段階ではないのに迷惑かもしれないけれど、もう少し足掻きたい私の小さな決意表明。
お産が好きだから、もう産みたくないと言う声は出来れば聞きたくない。
この場所が好きだから、もしこれから移住者が増えたとき、産めない場所にはなって欲しくないし、都心に出ていた若者たちが里帰り出産をしたくなる場所になったら嬉しい。ロケーションは最高ですから!