皆さん、加古里子さん(かこさとし)を知っていますか?
私は小さい時から加古さんの絵本が好きでした。

時代を超えて、今4歳の息子も楽しんで読めるそんな作品を作った加古さん。
素晴らしい絵本作家であり、科学者であったと思います。

プロフィール

加古里子(かこ さとし)
1926年現在の福井県越前市に生まれる。東京大学工学部応用化学科卒業。工学博士。技術士(化学)。児童文化の研究者でもある。現在は、出版を中心に幅 広く活躍。作品は『からすのパンやさん』を代表する「かこさとしおはなしのほん」シリーズ、『うつくしい絵』、「だるまちゃん」シリーズ、『とこちゃんはどこ』、「かこさとしからだの本」シリーズ、『伝承遊び考』など600点余。2008年菊池寛賞受賞、 2009年日本化学会より特別功労賞を受賞。

だるまちゃんシリーズは友達のてんぐちゃんやとらのこちゃん、かみなりちゃんなど異文化交流の模様が描かれていて、自分にはない世界を体験するだるまちゃんの柔軟な発想と発見、相手との同調などが楽しい絵本です。

笑っちゃうような素朴なストーリーですが、絵がしっかりと詳細に描かれていて子どももその絵にすぐに夢中になりました。
街の全体図や物の詳細図、ページのコマ割りなどたくさんの伝えるための工夫がしてあって、加古さんの科学者的な研究者の一面も垣間見ることができます。

子どものなぜ?に答える

子どもって、どうして雲はあんなにモクモクしているの?川はどこから来るの?この水道の水はどこから?などたくさんの疑問を持って生きています。それが加古さんの絵本には詳細に、実に科学的に描いてあって大人も読んでいて新たな発見があるし、子どもにとっては辞書みたいな物なのかなとも思います。

だるまちゃんの周りには、想像力と知恵がいっぱい!

だるまちゃんシリーズを読んでいて、友達との遊びにおいて「何かを買う」とか「人の物をどうにかする」という場面はないです。全て自分たちで作り出す、もしくは大人の知恵を借りてどうにか欲しい物を手に入れるという場面がすぐに物を与えてしまいがちな現代において、重要な事に私には思えます。葉っぱ一枚でも子どもは何かに見立てたり、何かを作り出すことができる。そんな子どもの能力を思い出させてくれるのです。

タブーを絵本に取り込む!

「泥棒学校」は息子も好きで、よく読みます。子どもの中には泥棒=悪者という概念はないんです。一生懸命立派な泥棒になるために日々「くまさかとらえもん先生」についていく可愛い泥棒たちにフォーカス。結局、最後は、、、、笑
どんな事にも「よく励め」って事です!笑

子どもが世界の中心

加古さんの絵本は常に子どもや泥棒などのタブーとされる人たちが主人公。
そう、たまに出てくるお父さんは一番どん臭かったり、間抜けな姿で描かれているのも子どもにとってはすごい嬉しい事みたいです。
日常では父、母の支配のもと?!過ごしている子どもは親たちが気づかない世界や大人の固定概念が事実を見誤っている様子が面白いのだろうなぁと。

子どもには倫理より、自然科学

子どもといて思うのだけど、「アリがかわいそうだからいじめちゃいけない」というより

  1. アリの観察
  2. アリの生態、実験
  3. アリと自分の関係性

などを学ぶことが大切であるように思います。
子どもは、ありをいじめたいという気持ちで踏み潰している訳でなく、「なんで、小さいのに動いてるんだ?」「踏み潰したら、歩けなくなるのか?」「どこにいくのか?」「家族はいるのか?」などの疑問から踏み潰してみる。という行動に出ていると思うのです。
興味有り余って、潰しちゃうみたいな。だから、その観察を大切に、そこからアリと自分の関係性を築けるように成長してもらいたいと思っています。

長くなちゃった!
ありがとうございます。