北国カナダの夏は短い。トマトは緑のまま夏が終わり、収穫して数週間後、秋が深まる中室内で追熟してようやく赤くなる。温暖湿潤気候で育ったわれわれとしては、ゴーヤが食べたいとか、夏にトマトが食べたいとか。食いしん坊の洋二郎の夢は続く…。

そうなると考えるのはグリーンハウス。これまで既に二つ作り、どちらも雪の重みで悲しい最後を遂げた。私としては無残な様子のそれを見るのも辛いし、雪は10月にふいをついて降ったりするものだから、もうグリーンハウスは諦めようと洋二郎に言った。何度も。

しかし、洋二郎は諦めない。

丈夫なのを作れば良い。と言って朝から木を切り始めた。昼過ぎに、木材をグリーンハウス予定地に運ぶのを手伝ってくれというので表にでると、ちょっと二人で運ぶのは無理じゃないか?という大きさの物が出来上がっている。

目的地はあの崖の上。洋二郎は運べると自信満々。

電車ごっこ作戦にて、安全に、かつバランスとモチベーションを保ちながら崖の上まで四往復。

この上に屋根がつく事をイメージしてみた。「洋二郎くん、ちょっとこれ、背が高すぎません?」

洋二郎「…あ、ホントだ。やり直そう。」

洋二郎は諦めない。そして翌日また大工補助を頼まれた。

今度は適正サイズだね。

to be continued