311から学んだ無形資産の大切さ

僕が311の時に危機感を抱いた事は、これが真夏に都市部で起きたらもっと悲惨になるなっていう事でした。

東日本大震災の数日後、もう夜でしたがようやく実家について家族の無事を確認する事ができました。

それから車で海側に行ってみると、津波の被害で変わり果てた、本当にめちゃくちゃになった故郷の姿がありました。

たくさんの家があったはずの場所は瓦礫の山でした。友人のおばあちゃんちがあったはずだったのに、大量の瓦礫しかありませんでした。

車から降りると、ウッと、鼻に刺さるような凄まじい悪臭がしてハンカチで口元を押さえました。磯の匂いと腐敗臭がしていました。

そこまでの道中も、車や船がたくさん道路にひっくり返っていました。

そして、月明かりと小さなライトで見えた光景は、悲惨なものでした。あまりの衝撃に生まれて初めて足が震えました。

きっと、この瓦礫の下には沢山の津波の犠牲者の遺体があるんだろうなと思うと、涙が出ました。

時に自然は牙をむく。そう思いました。

人間は自分達の力で科学を発展させ、知恵をつけ、ここまで物凄く進化してきたような気でいましたが、

僕たち人間は、単に自然に生かされているだけなんだなって実感したんです。

自然に抗っては、生きていけないと強く自覚したんです。

正直、平和ボケしていたなと思いました。

日本では「衣、食、住」がある事が当たり前になっています。

その上でもっとオシャレしたいとか、もっと美味しいものを食べたいとか、もっと広い家に住みたいとか、多くの人がワンランク上の欲求を抱きます。

でも、大切なことは今あるものに満足して感謝の気持ちを持つことなんですね。

要するに、足るを知るって大切なことなんだなーと思いました。

家族が生きていて、友人が生きていて、大切な人達が生きていれば、僕は何度でも立ち直れます。

そうすれば、いくらでも幸せを築けます。

これから自然災害や大恐慌や食糧危機が人類を襲うでしょうが、

人との繋がりがあれば、社会は再構築可能です。

ここ道志村に来て、課税対象になるような有形資産は減ったけど、

もっと大切なコミュニティー、無形資産は着々と増えています。

無形資産は課税対象になっていませんから、国が倒れることになっても価値を保ちます。

無償の奉仕や助け合いがすぐに生まれるんです。

311の時は多くの人が東北にボランティアに来てくれたり、物資や復興資金を寄付してくれました。

僕もNPOを立ち上げて出来る限り活動しました。途中、病気で倒れましたが。

現在は金価格が高騰してます。株価も日銀が買ってる分だけ高騰してます。

それは裏を返せば、世界中でお金の価値が急足に減少しているという事なんですね。

この延長線上にあるのは、資本主義社会の崩壊です。

今皆で力を合わせて田舎暮らしを楽しんでいる事が、新しい社会の構築に繋がるはずです。

楽しみましょう。

ありがとうございました。